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◆2022-09-26
第3回人間講座を開催しました。

2022年度第3回人間講座(視聴期間2022年9月9日(金)~18日(日)、オンデマンド映像配信にて)を開催しました。今年度の人間講座はシリーズ"動物園を考える"をテーマに開催しています。

その第3回目では、嵯峨美術大学美術学部教授でNPOボルネオ保全トラスト・ジャパン理事の池田靖子氏を講師としてお迎えし、「動物園と社会を結ぶ」と題して講演をいただき、多くの方々に視聴していただきました。

講師は、グラフィックデザイナーとして活躍し、母としてママ友と一緒に動物園の利用者だった時を振り返り、子育て中に体験した動物園との関わりと、デザイナーとして伝える専門家としての動物園に対する思いや貢献についてお話しいただきました。

まず、育児中の市民として多摩動物公園を利用して講師が気づいたことは、平日の昼間は利用客のほとんどが未就園児を連れた親子ばかりということです。講師は、お母さんを攻略したら動物園はもっと良い状態になるのではないかと考え、お母さんの話す言葉が一番染み渡る小学6年生くらいまでの時期に、子どもに何を体験させるかが、その子の人生にとても大切だと説明されました。また、講師は「命を学ばせてもらう動物園の動物たちには、その動物らしい生き方と幸せをできる限り全うしてほしい」と願い、私たちがそれぞれの立場で動物園に行って学びつくして欲しいとお話しされました。

次に、デザイナーの立場としてのお話では、国際動物園年鑑の引用から、1965年、当時のブロンクス動物園長による「動物たちを来園者にどう解説するか、何を伝えるのかが動物園の良し悪しを決める」という言葉を紹介し、アメリカの動物園で配布される環境教育用のテキストを見せてもらってから抱き続けた、いつか日本でも動物園が率先して環境テキストを作ること、そして、「動物園の職員さんからのメッセージがこもった、動物園で楽しく学べる小冊子を誰ひとり取りこぼすことなく届けたい」という夢の実現に向けて、2008年京都大学と連携協定を結び、「こんな動物園にしたい」というビジョンを持った園長の下、努力を続けている京都市動物園の取り組みを紹介し、京都市内の大型書店や全国の出版社等に働きかけて、その小冊子の制作を手掛けた体験談を説明されました。

京都市動物園のように公共施設だからこそ、時間を味方につけて皆で工夫をしながら良い動物園にしていける。こういう動物園が増えれば、そこで最高の教育を受けることができる。それは素晴らしいことだとまとめられました。

池田氏(顔).jpg 池田泰子スライド001.jpg

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