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◆2022-08-04
第2回人間講座を開催しました。

2022年度第2回人間講座(視聴期間2022年7月22日(金)~31日(日)、オンデマンド映像配信にて)を開催しました。今年度の人間講座はシリーズ"動物園を考える"をテーマに開催いたします。その第2回目では、よこはま動物園ズーラシア園長の村田浩一氏を講師としてお迎えし、「動物園の役割―動物園から社会を変える!」と題して講演をいただき、多くの方々に視聴していただきました。

村田氏は、最初にズーラシアの紹介をされ、1. 楽しく学ぶ、2. 動物園で動物を知る、3. 社会的存在としての動物園、4. これからの動物園~100年の計~の4項目についてお話しされました。

よこはま動物園ズーラシアは、1999年の開園から今年で23年目を迎えた日本の中ではかなり新しい動物園です。メインテーマは「生命の共生・自然との調和」、キャッチフレーズは「ようこそ、世界一周の動物旅行へ」で、ズーラシアを一周すれば世界中の動物園が見られるという構成になっています。また、希少種の保全を設立の主目的としており、園内には繁殖研究のための施設(横浜市繁殖センター)も併設されています。

1.2については、動物や自然の不思議さを身近に感じて人間とのつながりを体感できる場が動物園で、好き嫌いに関係なく動物たちのことをよく知ってもらい、そのためには楽しく学ぶこと、単に可愛いだけではなく驚きや感動から疑問をもって、さらに探求するという「智」の流れが必要ではないかということです。

3の動物園の役割の一つはレクリエーション、二つめは環境教育、三つめは保護・保全、四つめは調査・研究で、世界的に現在求められている役割は希少種の保全と動物福祉です。それにプラスして地域的な役割としては、地域振興や未病効果という来園者の健康に役立つ動物園、さらに阪神・淡路大震災の経験から地域防災拠点としての重要性もあるということです。

4については、これまでは動物園にとっての集客はすごく大切でしたが、それを中心にしていくとおそらく何か間違った方向に行くのではないかと考えられるので、これからの動物園に求められるものは、存在意義を明確にすること、ビジョンとミッションを明らかにして広く情報を社会へ発信していくこと、そして集客数という共同の幻想から脱却することが必要であると述べられました。さらに、存在意義を考えることが必要で環境教育の充実化や動物福祉と科学として推進していくことが重要で、これから最も求められるのは地球環境保全への貢献だろうと考えているそうです。

最後に、北米の海洋学者のレイチェル・カーソンの言葉「センス・オブ・ワンダー:神秘さや不思議さに目を見はる感性」を紹介し、学校やディズニーランドと比較して「面白くてためになるのが動物園!!」と締めくくりました。

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