第1回人間講座『日本列島に動物と人間の歴史をさぐる』に以下のような質問が寄せられましたが、演者の湯本貴和さんにご回答いただきましたので、お知らせします。
ご質問:日露、日清戦争で射撃の技術を得た兵士たちが帰還して、鳥獣、特にクマなどを的にしてきた歴史は悲しくも事実なのだと知りました。東北地方からの兵が多数であったことも、東北地方にクマが極端に少ないというデータと関係があるのでしょうか?
ご回答:ご質問、ありがとうございます。東北地方にはクマは極端に少なくはありません。九州で絶滅、四国で絶滅寸前、中国で著しく減少に比べると、東北のクマは減ってはいる可能性が高いものの、まだ絶滅からは遠いと考えられます。ただ、おっしゃるとおりに東北地方からの兵が多数であったことと、シカやイノシシがほぼ絶滅、サルの著しい減少は関係があるかもしれません。