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◆2018-05-31
平成30年度第1回人間講座開催

5月17日(木)、人間関係学部教授の谷口功氏、文化情報学部准教授宮下十有氏、人間関係学部教授で椙山人間学研究センター主任研究員の杉藤重信氏の3名を講師として、平成30年度第1回人間講座「信州の街道をめぐる -システムとして宿場を考える-」を開催し、81名に参加いただきました。
杉藤氏は、文化人類学の立場から、都市の原型には、移動(交易)、流通、象徴(祭礼)などのキーワードがあることを説明し、日本における宿場町は、政治的機能、文化的機能、経済的機能及び軍事的機能といった都市的機能を備えた街道都市として発達したことを解説しました。
続いて、宮下氏は、一宮市立博物館の木曽川源流プロジェクトで、中山道の宿場町である藪原宿(現・長野県木祖村)に焦点を当てた記録映像を映しながら、現在の宿場町の様子を説明しました。
最後に、谷口氏は、藪原宿の歴史に触れ、江戸時代に宿場町制度を整備したことで、宿場町が輸送業務及び宿泊機関を担っていったことを説明しました。また、宿場町は「資源調達」、「宿場環境の整備・保全」、「秩序維持」、「庶民の交流と共同感情の表出」という4つの機能がシステムとして結びつき、祭礼や特定の商業(酒屋)制度など定常的な社会が形作られていました。明治時代に入り、商業制度の自由化や鉄道網の発達により、開発的な社会へ転換し、これまでの宿場町の形態が衰退し、人口の多くは大都市へ移動していった一方、昔からの宿場町エリアに限ると、人口の減少があまり見られないことがわかってきました。今後は、宗教施設、特産物(酒屋)などを核として発達した街道都市を対象に、「成熟した小都市のシステム」の研究を発展させていくことを結びとしました。

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