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◆2017-12-26
平成29年度第37回椙山フォーラム開催報告

12月2日(土)に第37回椙山フォーラム「家政学の視点で暮らしの問題を解く」を開催し、156名の方にご参加いただきました。
第1部では、岐阜大学教育学部教授の大藪千穂氏が、「家政学の視点で『持続可能性』を解く」と題して、アメリカで移民当時の生活様式を守り、農耕や牧畜により自給自足の生活を送るキリスト教プロテスタントの小会派であるアーミッシュの生き方を家政学の視点から読み解き、私たちが持続可能な生活を送るための課題について話されました。モノや情報に溢れる今、世界一の先進国といわれるアメリカの文明社会を知りながら、敢えて信仰に基づく質素な生活を送るアーミッシュ。彼らの生活から、?@物や情報、ライフスタイルを自己決定する力、?A家族や小さなコミュニティとの密な関係性の構築力、?B生活価値の確立により主体的に生活を維持する力が、持続可能な社会を作るためのヒントとなると示唆されました。
次に、愛知淑徳大学交流文化学部教授の石田好江氏は、「家政学の視点で『コミュニティ』を解く」のテーマで、「認知症カフェ」や「子ども食堂」など、地域住民による弱者の居場所作りをきっかけとして、それらの取組が徐々に生活に関わる課題を解決する地域住民による「生活ガバナンス」へと発展して広がりつつある現状を解説されました。家族形態や終身雇用制度が変化し、国が社会的支援を行う福祉国家時代の仕組みが崩れてきた現代では、社会的排除を受けて生きにくさを感じる人が増えています。その人らしい生活を実現するため、自己決定を尊重しながらまわりの第三者が寄り添い支援する、家政学的アプローチによるガバナンスで居場所作りを進めることが、住民の自治力を高め、地域を強くして、より広い地域問題を解決する取組へと繋がっていくと話されました。
第2部では、本学現代マネジメント学部教授の東珠実氏及び人間関係学部教授の小倉祥子氏が講演に対するコメントを発表し、第3部のパネルディスカッションでは、講演者とコメンテーター、会場の参加者との活発な質疑応答が行われ、盛況のうちにフォーラムは終了しました。

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