10月27日(金)、平成29年度第3回人間講座「家政学の視点で『働く』と『暮らす』を考える」を開催しました。講師は、椙山女学園大学人間関係学部教授の小倉祥子氏です。
小倉氏は、日本が目指すワーク・ライフ・バランス(WLB)を海外の事例と合わせて紹介しました。日本では、働くすべての人が、「仕事」と育児や介護、趣味、地域活動といった「仕事以外の生活」と調和をとり、両立できる働き方・生き方ができるよう、企業内の制度、政府が一丸となり、理想のWLBを目指していると説明しました。また、日本が目指すWLB社会においては、まず、今働いている人が、個々に「働きすぎではないか。」「家庭生活の時間をきちんと取れているか。」「自己研鑽できているか。」と自分に問いかけると共に、働く時間を見直すことがいかに大事であるかという点についても解説しました。
さらに、最終的な目標として、若者の経済的自立、結婚・子育てに希望が持てる社会、長時間労働による健康不安が解消されることに加え、個々で多様な働き方が選択でき、公正な処遇が得られる社会を目指していくべきであると補足しました。最後に、社会のさまざまな問題解決には、家政学の視点から、生活、社会、地球を、経済原理ではなく生活原理に基づいて考え、生活者側から見据えることが大切だとの考えを示しました。
人間学研究センターでは、今後、家政学シリーズの第3弾として、「コミュニティ」、「持続可能性」をテーマにしたフォーラムを予定していますので、ぜひご参加ください。