9月27日(水)、平成29年度第2回人間講座「家政学事始め-暮らしを科学し生活主体をエンパワーする-」を開催しました。講師は、椙山女学園大学現代マネジメント学部教授の東珠実氏です。
東氏は、椙山女学園と「家政学」との深い関わりについて触れるとともに、「家政学」とはどのような学問なのか、19世紀末のアメリカでエレン・リチャーズが確立した「家政学」の歴史から説明しました。リチャーズは、急速な産業化により人々の生活が便利になる一方、生命や健康を脅かす様々な問題が顕在化している状況に対し、'女性の無知'こそがその原因であると考え、女性に情報と教育を与え、日常生活を科学することを掲げて「家政学」という学問を打ち立てました。また、「家政学」は人間とそれを取り巻く環境との相互作用の科学という側面も持っており、近年では、性別、年齢に関わらず、個人、家族、コミュニティが自ら生活課題を予防し、解決する力を与える(生活主体をエンパワーする)「家族・消費者科学」、「実践的総合科学」であると考えられるようになったとのことです。
人間学研究センターでは、今後、家政学シリーズとして、「働くと暮らす」、「コミュニティ」、「持続可能性」をテーマにした人間講座及びフォーラムを予定していますのでぜひご参加ください。