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◆2017-07-31
平成29年度第1回人間講座開催報告

6月28日(水)、平成29年度第1回人間講座『人間にとって表現とは何か-子どもの描画と芸術にみる表現することの本質-』を開催しました。講師は、椙山女学園大学教育学部教授の磯部錦司氏です。
磯部氏は始めに、子どもというのは大人を考えさせる存在であり、子どもの絵をどう捉えるかは「人間社会をどう捉えるのか」ということに通じるものがあるのではないかと述べました。
次に、「感じる」ことと意識、思考、想像を経て「表す」ことには絶え間ない連鎖が生じていること、人間は2歳になると表現に意味が生じることを、実際の子どもの絵や、チンパンジーの子どもが描いた絵との比較から解説しました。
さらに、表現は必ずしも先に「伝えたいこと」があるわけではなく、それぞれの抱く環境との相互作用等と結びついて発生し、その表現方法は個々に違うこと、表現が子どもの成長に必要不可欠であることを解説しました。子どもの絵は、大人の絵を未熟にしたものではなく、「独自の異文化」と考えられ、芸術とは「人間とは何か」という永遠の問いのプロセスと言えるのではないかとまとめました。
参加者からは、「子どもの絵を観る視点が広がった。」「表現の活動そのものが芸術であるとの言葉が強く印象に残った。」との声が聞かれ、表現について以前とは異なる視点を持つことができたようです。

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