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◆2014-06-11
『2.22、クライストチャーチで何が起こったか:3.11、東日本大震災との比較で』第1回人間講座を開催しました

5月19日(月)、平成26年度を開催しました。
講師は、本学人間関係学部教授の杉藤重信先生です。杉藤先生は文化人類学における家族・親族領域に関する研究を行っており、オーストラリア・ニュージーランド・ミクロネシアほかオセアニア地域をフィールドとして研究しています。
講義前半では、杉藤先生が東日本大震災の際に成田空港にて地震難民になった体験を語った後、ニュージーランドの先住民であるマオリとクライストチャーチに関する歴史や、ニュージーランドの地震のメカニズムについて解説しました。
次に、クライストチャーチ地震が日本人28名を含む、185名の犠牲者を出した大都市の直下型地震であり、液状化による被害が大きかったことを説明しました。クライストチャーチでは地震後、コンテナを使用した商店街やクライストチャーチ地震のパビリオンの建設など、地震を観光資源にしようとする試みが見られ、そういった点もクライストチャーチにおける大きな特徴だと解説しました。
後半では、クライストチャーチでデジタル化による地震の記録の保全が進んでおり、日本でも東日本大震災以降、記録のデータベース化が進んでいることを解説しました。そして、SNSやブログなどで誰もが情報を記録できる時代では、個人の記録をデジタル化して伝えていくことが重要だと述べました。
また、マオリの中で語り継がれている地震に関する神話や、日本古来より地震を抑えると信じられてきた要石(かなめいし)信仰について紹介しました。マオリの神話や要石信仰は、シンボル的に機能して人々をまとめる力を持っており、これらの民族的な伝統行事を記録することも非常に大切であると語りました。
最後に先生は、過去の経験を忘れず未来に生かすことの難しさを指摘し、人々が自分の体験を記録していくことが、未来の災害に立ち向かうパワーになるとまとめました。

次回の人間講座は7月7日(月)の開催を予定しています。
詳細は順次ホームページで掲載いたしますので、皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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