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◆2014-02-07
『インドネシアのジャワ農村における社会と文化』第4回人間講座を開催しました

1月15日(水)、平成25年度第4回人間講座『インドネシアのジャワ農村における社会と文化』を開催いたしました。
 講師は本学文化情報学部教授の黒柳晴夫先生です。黒柳先生の専門は社会学で、特に家族と農村社会を中心に研究を進めており、家族と農村社会のあり方について日本とインドネシアとの比較研究を行っておられます。
 まず黒柳先生は、インドネシアという国の概要についてお話しされました。1万3,466もの島からなる島嶼国家であり、しかも多民族国家であること、そして世界第4位の人口を擁しその約6割がジャワ島で暮らしていることを説明されました。
 次に、インドネシアの農業が、スハルト大統領による中央集権的統治主義・開発主義の下で発展したことを説明され、ジャワ農村における農作業や市場の様子を紹介されました。ジャワの農業の特徴として、農家の農地所有面積が少ないため「小規模経営」が行われており、自家消費するお米だけでなく野菜などの商品作物も作る「複合経営」を行って生活していることを述べられました。また、2000年代に入って、稲刈り機や脱穀機等の機械化が進んで、便利になる一方、農業労働者の雇用の場が奪われてしまうという問題があることを指摘されました。
 後半では、スハルト体制崩壊後のインドネシアが、地方の活性化を図っていくために、地方自治の分権化と民主化を進めていくようになった経緯を説明されました。また、民主化の例としてジャワ島中部南岸に位置するジョクジャカルタ特別州のチャンデン村で行われた村長選挙の実例を、スライドの写真を用いて紹介されました。
 黒柳先生は、まとめとして、インドネシアではスハルト体制崩壊以降地方分権主義と民主主義による地方自治制度の改革が進められているが、民主化への準備が不十分なまま進められてきたために、汚職体質の地方拡散などの弊害が起こっていると解説されました。

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