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◆2011-11-16
第24回椙山フォーラム 『DNAからたどる我々の先祖たち』報告

平成23年11月12日(土)13時より本学文化情報学部メディア棟において、独立行政法人国立科学博物館人類研究部人類史研究グループ長の篠田謙一氏をお迎えし、『DNAからたどる我々の先祖たち』と題して開催しました。

第1部に篠田氏による基調講演、第2部では篠田氏とセンター主任研究員で本学人間関係学部教授の渡邉毅氏によるパネルディスカッション、第3部としてフロアからのご質問を含めての質疑応答という構成で行われました。
 篠田氏は、まず現生人類の起源に関して多地域進化説とアフリカ単一起源説、20万年前のミトコンドリア・イヴで有名な論文『ミトコンドリアDNAとヒトの進化』について講演の導入としてご紹介されました。その後、篠田氏が長年研究に携わってこられたミトコンドリア研究からは遺伝的近縁関係を把握することができ、世界人類のクラスター分析で人類をグループ化したそのグループは、肌の色や人種、民族で区別されたものではなく全て遺伝によって決定され、結論として人類がアフリカで誕生したという事実を示しているそうです。次に話題は二重構造説を中心にした日本人の起源に移りました。二重構造説というのは、縄文の社会に弥生人が入り、混血が行なわれて今の日本人ができているという考え方で、日本人には縄文と弥生の二層性があり、原日本人である縄文人、その社会に弥生時代に渡来人が朝鮮半島から入ってきて混血して日本人ができたという学説です。この二重構造説によってアイヌ集団、本土日本集団、沖縄南西諸島の集団に分けられ、独自の文化と進化を築きました。北海道では弥生の影響を受けなかった代わりに6世紀から10世紀あたりにカムチャッカを発祥とするオホーツク文化が持ち込まれ、独特の発展を成します。アイヌ同一民族においても道南、道東、道北と遺伝的な地域差が生じているのもこの文化の影響があるといわれているそうです。沖縄は中国・台湾先史文化、先島文化、フィリピン新石器文化、沖縄本土での南首里城を本拠とした琉球王国の繁栄によってグスク時代が確立し、アイヌとも本土日本とも異なる進化を遂げます。
 篠田氏は最後に「ひとつの列島、2つの国家、3つの民族」という言葉を挙げられ、それぞれの地域がいろいろな歴史的な経緯を経て現在の日本があり、複眼的なアプローチを持つことが日本人や日本人の成立を理解する近道になるのではないかと締めくくられました。講演では未公開画像なども発表していただき、遥か悠久の太古に想いを馳せつつ大変有意義なフォーラムとなりました。

 当センターは学園創立100周年を記念して設立され、学園の教育理念「人間になろう」を軸に、今後も多様な視点から「人間」を究明し、人間に関する知の研究・発信拠点となるべく成長して参りたいと考えております。

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