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◆2019-11-27
令和元年度第4回人間講座を開催しました

 10月31日(木)、奈良教育大学教育学部准教授の井上邦子氏を講師として、令和元年度第4回人間講座『「組み合う」からだの文化―モンゴル相撲の世界観―』を開催し、47名に参加いただきました。
 井上氏は、最初に、モンゴルは民主化されてから都市化が進み、現在は,高いビルが建ち並んでいますが、都市から少し離れると草原で牧畜をする遊牧民が伝統的な生活を送っていること、そして遊牧が一段落する7月に祭が行われ、その祭で行われる競技の1つにモンゴル相撲があり、モンゴルでは相撲をとったことがない男子はいないと言われるくらい国を挙げて相撲の文化を強く意識しているということを説明しました。
 次に、モンゴル相撲は、512人の力士が集まって草原で一斉に行われること、土俵がないので勝負がつくまで長時間になることもあること、モンゴル相撲はからだの動きを技そのものとしてカウントし勝敗が決まること、そして、勝敗の判定がセルフジャッジであることなどの説明がありました。また、モンゴル相撲は「組み合う」ということで、敵味方の分断がなく、時には相手の力士を盛り立てるために自分が捨て身になり勝ちを譲るということもあります。相手のからだと組み合うこと、それは、モンゴルの世界観の下で、勝ち負けを競いながらも相手と一体化して自分の技をかけやすくする、そのために相手のからだと共振し、相手を深く感じることで自分自身を強くすることだと話されました。
 近代スポーツでも自然と一体化したり、環境と一体化したり、相手と一体化することはありますが、一方で勝ち負け、敵味方、主客のように分断され、それを推し進める動向があります。勝敗の判定も機械化が進み、数値化された結果のみを評価することが主流である今日、モンゴル相撲では勝敗という結果よりも取り組む姿勢を重視しています。最後に、井上氏は「この話の続きは11月30日開催の椙山フォーラムで…」と結ばれました。

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